元優等生のRe:スタートものがたり

元優等生の30代後半までの葛藤と、人生のRe:スタートを決意したその後の日々や想いを綴っています。

36歳の選択②~子どもたちが育つ場所

わたしは長いこと、自分のことの選択を人に委ねてきました。

 

子育てでも同じで、世の中の流れに全く疑いを持たず、

みんなやってるからって流されて決めてきました。

 

いい加減、自分で選んでみようと思いました。

 

* * *

 

小学校の短い短い夏休み明け。

 

そのこと、長女は、特別支援教室の片隅を借りながら、

長女が楽しいと思う授業だけ、授業を受けていました。

 

しばらく、国語・算数はほとんど授業を受けていなかった長女。

先生が「5月からの授業の遅れを算数だけでも取り戻しますっ。」

と意気込んで、夏休み明けから、

割り算のひっ算を教えてくださっていました。

 

娘のためにと頑張ってくださった気持ちはありがたかった。

でも、長女の顔は急激に沈んでいきました。

もう、学校は無理だなと思いました。

 

わたしが、完全にフリースクールに通わせてもいいと腹を決めました。

「ふつう」に拘らない生き方を選ぶことに迷いが無くなりました。

 

わたしのココロが決まっただけで、

長女の表情はグーンとよくなり、

フリースクールに自分から通うようになりました。

フリースクールの生活でどんどん自分を取り戻していき、

今では、毎日遊び倒しています。

 

そして、学校では体験することの無いたくさんの経験と

いろいろな生き方をしている人との出会い。

 

本当に素敵な環境で最高の時間を過ごしています。

 

* * *

 

仕事復帰に当たって、下の子2人は認可保育園に入っていました。

 

長女も通った保育園です。

私立保育園の中で、市内で一番歴史の古い保育園でした。

家の近くで、通勤途中にあったので、その保育園にしました。

特に、教育的なことは、どこもあまり変わらないと思っていました。

 

先生方もなじみがあったし、行事や生活の流れもわかっていました。

だから、そのまま通えるように考えるほうが楽だったと思います。

  

でも、実は、慣らし保育のときに、

2歳児さんが本人の「やりたい」という気持ちでは無く、

先生に呼ばれてはさみの練習をしていたのが引っ掛かっていました。

 

1歳児で、はさみに興味を持って寄ってきた子は、

「2歳児さんだけよ」と引き離されていました。

慣らし保育のとき、1歳児だった次女は、

はさみにすごく興味があって、上手にとは言えなくても、

となりで 見てさえおけば、次女なりに使えていました。

 

いろいろな考え方はあると思います。

でもなんだか引っ掛かっていました。

 

長女のときは全く感じなかったことでした。

保育園が変わったのか、わたしの見方が変わったのか、

定かではなかったけれど、違和感を感じながら、

そのままにしている自分にモヤモヤしていました。

 
悩んだ挙句、もう一度

保育方針などから保育園を選び直してみることにしました。

 

もちろん制度上、選べない保育園もありましたが、

ちょっと探しただけで、わたしの方針に近い保育園が

通える範囲に3か所もありました。

 

どれも、長女を育てていたときには、見たことも聞いたことも無い園でした。

 

3か所を丁寧に回って、いろいろ考えた上で、新しい保育園を決めました。

 

* * *

 

新しい保育園は山や川などで自然あそびを大切にする園でした。

土や砂・水を使ったあそびを大切にし、

薄着・はだしで子どもたちの感覚を育てることを大事にしていました。

 

給食は、日本の伝統食を大事にし、旬のものを使い、

安全な食品を使っていました。

日本の伝統食は好きだし、旬のものを使うのは好きですが、

全く、食品の安全性には無頓着だったわたし。

新たな視点に触れました。

 

何より、子ども一人ひとりの人格大事にする園でした。

子どもだけでなく、親も先生もみんな名前で呼び合って、

みんなの人格を大切にしていました。

 

また、いろいろな働き方をしているお父さん・お母さんがたくさんいて、

園の中でもいろいろな役割で関わりあっていました。

生き方・人間性が面白い方もたくさん!

 

先生もそれぞれの考え方が違って、人間的! 

 

こんなにもいろいろな大人がいる、

いろいろな生き方があるってことにわたしが一番驚きました。

 

そんな場所でした。

 

* * *

 

一方で、新しい保育園で考え方が合わないところも、ありました。

これだけ考えて、選んだのだから、

大きな相違は無いだろうと少し思っていたわたし。

でも、違いました。

親同士でも、先生間でも、考え方が違うことはある。

 

保育園に実際に関わる中で、

県などの行政からいくら指導を受けても

変えてこなかった保育園の信念を感じた部分もありました。

 

他と違っても、貫ける信念があることが、

ゆるぎない強さを生んでいるのだなと思いました。

わたしも、そうでありたいと思いました。

 

そして、保育園では保育園の信念に従って、

子どもたちを育ててくれたらいいと思えました。

そういった違いがあることが当たり前に受け入れられていると感じました。

(親同士のケンカもウェルカムなのです)

 

* * *

 

一つ、真剣に選択してみただけです。

 

だけど、

そのことで氣付いた価値観がありました。

おもしろい大人たちとの出会いがありました。

いいことばかりではない、選んでみたからこそわかることもありました。

いろんな考え方があることに触れました。

 

自分で選んだことに対する自信もつきました。