元優等生のRe:スタートものがたり

元優等生の30代後半までの葛藤と、人生のRe:スタートを決意したその後の日々や想いを綴っています。

長女の頭の中

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長女が小学1年生になった年。

次女を出産を控えて、産休・育休を取得していました。

やっと、長女と向き合う時間を持てるようになりました。

 

1年生。

学校生活、学校の準備、宿題、ならいごと。

今までとは全く違う生活スタイルに親も子も右往左往。

ランドセルの隅から隅まで、わたしが見てやる毎日。

夏休みまではほぼつきっきりで対応していました。

 

今から思えば、順調な学校生活が送れるように

【わたし】が必死になっていました。

優等生のユウコチャンが。

 

* * *

 

初めての夏休み。

楽しいはずの夏休み。

正直こんなにも【わたし】が苦しいとは・・・

まだ首も座るか座らないかの赤ちゃんがいる生活。

夜もまともに寝ていないのに、

なかなか予定通りに生活しない長女。

宿題もなかなか進みません。

 

当時のわたしは余裕が無かったと思います。

宿題に取り掛かるのも、

やるのも、終わるのも、何をとってもゆっくり過ぎる娘。

何度、怒った・・・いや怒鳴った・・・いや手が出たこともありました・・・

 

* * *

 

子どもの宿題なんて、みんなそんなものだろうと思っていたある秋の日。

 

長女が近所の友だちを夕方家に連れてきて遊ぶようになりました。

 

必ず「宿題をして遊ぶ 」を徹底する娘たち。

 

・・・・!!!

 

アレ・・・!?みんな宿題すんなりやっている・・・

 

宿題しないと遊んじゃダメって言われているから先に宿題するのかな?

と思っていたけど、むしろ自ら先に宿題をしてる・・・

やってないのうちの子だけ???

 

毎回なかなか宿題を始めないのも、

終わらないのも、だらだらしているのも、

宿題をする子にちょっかいをだすのも、うちの子・・・。

 

ようやく、我が子と他の子は違うということに気付きました。

(いや・・当たり前ですけどね。

 ずっと1人しか育てていなかったので、

 むしろ『育てる』ということについてまともに考えていなかったので、

 そんな当たり前のことにも気付かないほどだった・・・)

 

* * *

 

ネットに溢れているいろいろな方法で宿題をさせようと試みるも、

うまくいかない長女。

 

厳しく言いつければやるのかと思い、

宿題が終わるまで、遊べない・おやつ無いなど制限。

だけど、白紙の漢字書き取りノートを椅子に座って

30分以上ジーっと見つめるだけで一文字も書かない姿を見て、

この30分にさっさとやればすぐ遊べるのに・・・と何度思ったことか。

 

* * *

 

30分以上も見つめ続けるほど嫌なのか・・・と

少しずつ、子育てについて考えたり、学んだりするようになっていきました。

この頃出会ったのが「生きる力をつける親の会」でした。

peraichi.com


 

「生きる力をつける親の会」で、

その頃のわたしが思っている子育ての視点とは全然違う考え方

に触れるようになります。

自分の育ってきた環境が、こんな子育ての指針であれば、

わたしの人生も大きくかわったかもしれないなと思いました。

 

そして、我が子の子育てで、真っ先にしなければいけないのは、

『観察』だと思ったのです。

 

* * *

 

『今、午前11時45分です。

 雨が1時間半ふりました。何時何分に雨はやむでしょう』

 

宿題の算数プリントの中の1問です。

その日もなかなか宿題を始めずに、終わらずに、

わたしが気を揉んでいました。

 

(よし、今日は観察してみよう。)

 

いろいろな気持ちを一旦押し込んで、観察することにしました。

 

あまりにも、見つめているばかりで取り掛かれないので、

内容がわからないのかと思い

「絵に描いてかんがえてみたら?」

と声をかけました。

 

すると、

テン テン テン テン ・・・

と点を描き始めた娘。

 

(時計の問題なのに、点で考えるのか???)

なんて思っていたら、すごくたくさんの点を描いている。

娘が何をしているのか、全くわかりませんでした。

 

だけど、ただただ、観察することにしました。

 

すると、、、

かさをさす女の子・

おひさま・にじ・かさをとじてわらっている女の子

を次々に描く娘。

 

(あー!!あめだったのか!)

 

そこまで描き終えるのに、30分。

 

それからやっと時計の絵を描いて、問題を解き終えたのでした。

 

* * *

 

長女は保育園時代もとってものんびりしていました。

 

保育園から帰ってきても、廊下や階段の踊り場に寝っ転がり、

天井を見つめ、いつもぼんやりしていました。

 

いつも何を考えているかわからなくて、

そこに寄り添ってやる時間も余裕もなくて、

早く早くと追い立ててばかりいたけれど、

こんな風に娘は考えていたのか!と

初めて娘の頭の中を覗いてみたような出来事でした。

 

宿題プリントは、残りが5問以上ありましたが、十分じゃないのかと思いました。

娘にとってはもう十分じゃないかと。

 

* * *

 

このときのことをきっかけに

わたしは、わたしなりの子育ての方針を少しずつ固めていくようになりました。

このときの絵は、長女が小学4年生になった今もリビングに飾ってあります。